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知らなきゃ損!雑穀のカサ増し効果

雑穀やもち麦を混ぜて炊いてみたら、白米だけのときより炊き上がりの量が多くてびっくり! という経験はありませんか? その秘密に迫ります。

  • 雑穀について
2025.08.08

雑穀を炊くと、カサ増しになるってほんと?

大麦なら、カサ増し効果が抜群です

水分を含ませて炊き上げることで、ふっくらおいしく仕上がる穀物。白米に雑穀やもち麦を混ぜて炊いたとき、炊き上がりの量が心なしか増えるような・・・・・・?
その謎をひもとくべく、今回は実験にチャレンジしました。

【実験方法】
白米・玄米・もち麦・十五穀米の乾物をそれぞれ150gずつ用意。それぞれ標準的な水加減(順に210ml、300ml、300ml、300ml)で1時間水に浸してから炊飯器で炊き、炊飯後に釜の中身全量をビーカーに移し替えて炊き上がりの量を比較しました。

さて、その結果は・・・・・・?
いずれの雑穀ごはんも、白米だけのときに比べてカサ増しになる、という結果に! 特に「十五穀米」と「もち麦」はカサ増し効果が大きいようです。

その秘密は、大麦の保水力。大麦には水溶性食物繊維(特にβ-グルカン)が豊富に含まれており、水分をたっぷり吸収して膨らみやすい性質があります。大きく膨らんだ大麦は1粒1粒のボリュームがあり、プチプチとした食感も楽しめて、食べごたえも抜群です。

そのため、大麦であるもち麦や押麦、それらが多く配合されている十五穀米などのミックス雑穀は、炊き上がりのボリュームが得られる、というわけですね(*1)

雑穀のカサ増し効果で、食べ過ぎ防止にもおすすめ

1日1食を雑穀ごはんに置き換えて、無理なくカロリーコントロールをサポート。

炊飯後に「カサが増える」ということは、雑穀が白米よりも水をたくさん吸って、大きく膨らむということ。つまり、白米と同じお茶碗1杯分のご飯でも、炊く前の雑穀とお米の量(乾物量)は、白米より少なくて済むのです。つまり、乾物量が少ない雑穀ごはんの方が、摂取するカロリーを抑えられる、というわけです。

では、どのくらいのカロリーを減らせるのでしょう? 仮に、1日のうち1食を、白米から雑穀ご飯に置き換えたとして、1カ月で減らせるカロリーは次のとおり。

発芽玄米ごはんでは1,013kcal、もち麦ごはんでは727kcal、十五穀ごはんでは761kcal(*2)

これを、さらに運動に変換してみましょう。例えば発芽玄米ごはんの720kcalで考えてみると、なんと体重50kgの人が約5時間ウォーキングを行った場合の消費カロリーと同等のエネルギー量に相当するんです(*3)

しかも、雑穀は噛み応えが満足感につながり、食物繊維も含まれているというオマケつき。

食事を減らしたり、運動を増やしたりするよりも続けやすい、まさに「カロリーコントロールの強い味方」。

まずは1日の中で1食を置き換えることからスタートし、毎日の習慣にして、長く続けていきましょう。

(*1)実験では、大麦の配合量が多い、はくばくの「定番十五穀」を使用。ミックス雑穀のカサ増し効果は配合されている穀物の種類や量によって異なります。

(*2)白米は日本食品標準成分表(八訂)増補2023年「こめ[水稲穀粒]精白米 うるち米」より、発芽玄米ははくばく「もっちりおいしい発芽玄米」、もち麦ははくばく「もち麦ごはん」、十五穀は「定番十五穀」の栄養成分値よりエネルギー量を計算

各ごはんのカロリー比較はそれぞれ下記、配合割合で算出
・白米ごはん:お茶碗1杯150g換算。
・発芽玄米ごはん:お茶碗1杯143g換算。白米1合に対して、発芽玄米1合を配合した場合
・もち麦ごはん:お茶碗1杯143g換算。白米1合に対して、もち麦50gを配合した場合
・十五穀ごはん:お茶碗1杯136g換算。白米1合に対して、十五穀15gを配合した場合

(*3)運動時間=消費カロリー(kcal)/(メッツ ×体重kg×1.05)で算出。ウォーキング=3.5メッツ、体重50kgとして計算した。メッツ値は厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023」の「歩行(平地、75~85m/分、ほどほどの速さ、散歩など)」を参照。

参考Webサイト
「おいしい大麦研究所」

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